小学校3年生の国語科の授業で「外国のことをしょうかいしよう」という単元があります。ICTを活用した授業実践例を紹介していきます。
本指導アイデアでは、4人のグループとなり担当の外国について調べ、調べた内容をポスターにして発表するというものになります。
この単元の指導事項は以下の通りになります。
指導事項
【知識・技能】
(1)イ 相手を見て話したり聞いたりするとともに,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などに注意して話すこと。
(2)イ 比較や分類の仕方,必要な語句などの書き留め方,引用の仕方や出典
の示し方,辞書や事典の使い方を理解し使うこと。
【思考・判断・表現】
(1)イ 相手に伝わるように,理由や事例などを挙げながら,話の中心が明確になるよう話の構成を考えること。
(1)ウ 話の中心や話す場面を意識して,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫すること。
(2)ア 説明や報告など調べたことを話したり,それらを聞いたりする活動。
参考:小学校学習指導要領国語編
身に付けたい力等
・話の中心を意識して、言葉の抑揚や強弱、間の取り方などを工夫し、相手を見て話したり 聞いたりできる力を育成したいです。
・「話したいな、わたしのすきな時間」で学んだ「始め、中、終わり」を明確にして発表できるようにしていきたいです。
・グループでまとめて発表するという言語活動の中でどのようにすれば相手により伝わるのかを考えられる場を設けていきたいです。
授業展開
第1次(1時間目)
- これまでに学んだ発表の方法について確認しよう
- 調べたい外国を決めよう
- 調べる内容の分担を決めよう
第2次(2~5時間目)
- グループごとに計画を立てよう
- 調べたことを整理しよう
- 話の組み立てを考えながらポスターを作ろう
第3次(6~10時間目)
- 発表の練習をしよう
- 発表をしよう
- 振り返ろう
ICTを活用した第1次について
第1次では、世界にはどのような国があるかを子どもたちに問いかけます。この際には、GoogleEarthを活用することで地球をシームレスに観察できるのでおすすめです。出てきた国をそれぞれ簡単に位置を確認していきます。
何カ国か出てきたら質問してみます。たとえばアメリカ合衆国ならば「アメリカ合衆国はどんな国か紹介できる人いますか?」と聞いてみます。
さらに話していいる言葉は?食べるものは?人気のスポーツは?などと質問し、アメリカ合衆国ってどんな国なのだろうかと興味を抱かせていきます。
さて、国を調べる際には、株式会社明治の「比べてみよう世界の食と文化」を活用すると便利です。サイトリンクはこちら
このサイトでは、多くの国の食や文化について学ぶことができ、ふりがなもあるので小学生3年生には大変おすすめできます。4人グループでそれぞれの国を一つ選び、その国の何についてて調べるか分担を決めていきます。
実際に、サイトを開きながら調べることによってどの子どもも一番関心のある内容について調べられ、学習の意欲を高められます。
ICTを活用した第2次について
株式会社明治のサイトを活用することで他クラスでの本のブッキング等を防ぐことができます。もちろん、本で調べたい子どものために図書室から何冊か借りることもおすすめします。
調べた内容については、ノートやワークシートに記入していきます。インターネットを使って調べていくため、コンピュータでまとめるには適していません。
それぞれの国の特徴について詳しく書いてあるので子どもたちがまとめやすくなっています。
ICTを活用した第3次について
ポスターが完成すると次は発表の練習です。子どもたちの端末でそれぞれ録画しながら発表練習するように伝えます。こうすることで、子どもたちが自分たちの発表を見返すことが可能になり、より良い発表をできるようになっていきます。
発表の見返し時には、2色の付箋を配ります。1つめの色にはうまく出来たこと、2つめの色には改善したほうが良いところを記入させ、さらに良い発表ができるように気付かせていきます。
また、教員もそれぞれのグループの困っている部分を見つけ出すことができるのでアドバイスも容易になっていきます。
練習の様子は動画に保存していくため、最初と見比べるとどこまで成長したか分かるため学習の評価にもつながっていきます。
発表原稿は、原稿用紙に書くグループやWord等コンピュータで作成するグループもあると想定されるため、どちらにも対応できるようにしておく必要があります。特にコンピュータで作成したグループについては印刷して渡してあげることも大切です。
全体での発表時には、ビデオカメラ等で記録し、後でそれぞれのグループの子どもたちに配付すると良いと思われます。
発表を聞いている子どもたちには、MicrosoftFormsのようなアンケートサイトで簡単な評価や感想を記入してもらいます。アンケートサイトを使うことで書く時間を短縮でき発表により集中できるようになります。
発表の振り返りは自分たちの発表している様子の動画を見返すことで簡単に振り返ることができます。また、このように動画を残しておくことで発表をポートフォリオ化でき、自分たちの成長を感じられるため、より楽しく発表に挑むことができるでしょう。