教職員向け

ICT教育では情報モラルが大切です

はじめに

ICT教育で大切なことは情報モラルだと私は考えています。

情報モラル教育はGIGAスクール構想の中でさらに重要視されてきています。文部科学省では情報モラル教育について以下のサイトにて詳しく解説しています。

第5章 情報モラル教育:文部科学省 (mext.go.jp)

情報モラルとは

情報モラルとは情報化された社会を生きるために必要な態度や考え方と言えるでしょう。ここには、インターネットの使い方やコンピュータの使い方も含まれていると考えています。情報モラルを学ぶ上でインターネットの使い方は特に重要です。

何を学べば良いか

どのようなことを学べば良いかは文部科学省から例が示されていますので参考にすると良いでしょう。

情報モラルに関する指導の充実に資する〈児童生徒向けの動画教材、教員向けの指導手引き〉・〈保護者向けの動画教材・スライド資料〉 等:文部科学省 (mext.go.jp)

YouTubeの教材を流しながら子どもたちと一緒に学ぶのも良いかも知れません。それぞれの内容によって学ぶ視点が示されているため、情報化教育の主任や担任の先生方は参考にし、これらを活用することで負担が少なくなるでしょう。

ただ、注意する必要があります。それは、インターネットの使い方について小学生だから中学生だからと伝える内容を制限してしまうことです。

確かに発達段階によって理解の差が生まれてしまうため小学生低学年には伝える内容を制限する必要がある場合もでてきますが、小学校中学年以上では子どもだからという認識は捨て、インターネットの正しい使い方について指導することが大切です。では、どんなことを指導する必要があるか、3つ提示したいと思います。

  1. 著作権について
  2. 誹謗中傷について
  3. その他犯罪について

著作権について

①著作権については、日頃から先生方が子どもたちに指導されていると思われますが、今一度著作権について再確認する必要があります。特に、アップロードについてです。著作物をダウンロードすることについても処罰の対象となりますが、現在ではアップロードについて特に処罰されている印象です。YouTubeやインスタグラムなどといったSNSで簡単に情報をアップロードできる現在では、子どもも大人も関係ありません。容易なアップロードやダウンロードは良くないことを改めて指導する必要があります。

誹謗中傷について

②誹謗中傷については、これも先生方が日頃から行われている指導だと思います。2021年に東京都町田市で誹謗中傷から起こった痛ましい事件について胸を痛めた方も多いでしょう。しかし、これは東京都町田市でのみ起こる事象では無く、どの学校でも起こりうることです。道徳や人権教育等で十分に指導する必要があります。

その他犯罪について

③その他犯罪についてです。その他犯罪で指導するべきことは詐欺や爆破予告、殺人予告のことだと考えています。それはこれらが誰でも簡単に行えるからです。特に、爆破予告や殺人予告は最も簡単な犯罪です。子どもたちが良く観るYouTubeのコメント欄に書き込むだけで成立するからです。昨今では子どもたちがオークションサイトなどで売買をしていると耳にしたことがあります。たくさん儲けたいが故に、粗悪品を相手に送ったり、全く違う物を送ったりしてトラブルに発展していると聞きました。もちろん真偽は不明ですが、このような噂を聞くということはどこかで似たようなことが起きていることでしょう。誰でも簡単に行えるため注意深く指導する必要があります。

最後に

このように3つの内容をしてはいけないよ、されたらどんな気持ちになる?と学校では自分のこととして諭すような指導をすることが一般的だと思います。

しかし、先述したようにインターネットは子どもも大人も関係ありません。子どもだからと言って子どもらしく指導する必要は全くないと考えています。確かに諭して理解させるということも大切だと私は考えていますが、それだけではなく、これらの違反をした際にどうなるのかはっきりと伝えるべきだと考えています。

警察に逮捕される犯罪であるということをはっきりと伝えるべきです。

もちろん、子どもの場合必ずしも逮捕されるわけではありませんが、上記のような被害が出た場合、警察は捜査をします。それは、インターネットは相手の顔が見えないからです。例え犯人が子どもであっても、特定できるまで犯人が大人か子どもか分かりません。それは相手が嘘をついているという可能性もあるからです。

実際に、インターネットのサイト上で兵庫県姫路市の市立網干小学校に対する爆破予告が見つかった事件で、投稿したのは県内の少年だったことが11日、捜査関係者への取材で分かった。少年は県警網干署の調べにいたずら行為と認め、「爆発物は仕掛けていない」と話したという。といった事件が起こっています。少年であっても警察が実際に捜査をし、相手を特定しています。

インターネットの世界は子どもだから許されるわけではないということをはっきりと指導することが大切です。情報モラルを学ぶことでICT教育はより一層充実することでしょう。